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ペット喜怒哀楽

中国人民に告ぐ!

書名 : 中国人民に告ぐ!
著者 : 金文学
出版社: 祥伝社文庫 \599

【楽天ブックス】中国人民に告ぐ! 「文化大国」が聞いてあきれるー痛憤の母国批判

感想 :
著者は知人だからなぁ... 彼、韓国系中国人、広島在住。いつもはメルアド記載しているのに、今回は無い。文庫だと読者数が多いから?

* 今回はいつもよりやや過激かも。でも、彼の主張、私が中国で体験したり、日本在住中国人に感じる物と通じる。

* 孔子や老師の言っていたことから中国は文化の国、なんてことは私思っていなかった。中国で各種スローガンを見た時にも、できていないからスローガンがあると思っていたから。だから拡大解釈すれば、孔子や老師の発言ってのも、周囲にそうでない人がいっぱいいたからとも、とらえられるし。

* 紅衛兵の「爆破意識」文化や学術の問題を徹底的に批判し冒涜して人格を抑圧する、っての、なんかなぁ、ねとうよ達の戦略と類似、右も左も要するにテロ的なんだわ。

* アヘン戦争の頃の大物が、アメリカはアフリカにあると思っていた。中華思想との関連もあるけれど、文革の頃、文化的に鎖国状態にして外国の情報を知らない、国民に知らしめない、中国はすばらしい国だと思いこませる。今の北朝鮮と同じ。著者も幼い頃そう信じていた。

* 絶対的優越意識と先進文明や経済大国に対するコンプレックス→中華思想への復活  なんだか、こちらは現在のアメリカ的だし。

* 人身売買 すさまじい。脱北者が中国人に売られるってのは知っていたが、自国民同士で...テレザ中国版がいくらでもあるらしい。

* 中国では、知識人の人格不在。政治の道具と装飾品になってしまう。政治の芸者。官職に就くか隠者になるか... 四重人格、書くこと考えること話すこと行動することすべて異なる。

* 嫉妬
おまえができるなら、おれもできる、おまえよりもっと上手くできる 積極的に発憤する、これは西洋式嫉妬
おれがだめならおまえもだめでなくてはならない、だからいかなる作を打ってでも相手を妨害する、これが中国式嫉妬

* 科学的意味での「真実」の存在を許さない風土の中では、嘘と偽りが養成されるしかない。偽物の天国になってしまったことも、やはり理性を蹂躙した専制主義的反文化伝統の「所産。このような雰囲気の中で、合理的で柔軟な科学思考と民主主義が生じることを期待すること自体が、まさしく笑止千万。
これ、私がねとうよに感じることと同じ。なんだかやっぱり右はぐるっとまわって左と同じ、いえ、思想じゃなくて、成長度だわ。視野の広さだわ。これぞまさしく著者がいう、文化に反する、反文化主義ね。ねとうよもこの視点で見ると面白い研究対象なのかも。



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